カテゴリ:書籍紹介



その他 · 2020/08/12
副題にある岡本秀樹氏は、1963年に創部された国士舘大学空手道部の初代主将を務められ、その後、1970年から日本空手協会の海外指導員として、中東・アフリカ地域における空手の普及に長年ご尽力され、2009年にご逝去された先生です。著者の関心は、おそらく岡本先生のユニークな人物像にあり、派遣元の外務省と対立する一方で、空手家としてのコネクションを使って、シリア、レバノン、エジプトなどの政権中枢とつながっていた波乱万丈な人生にあったのでしょう。しかし、協会の一会員としては、時々聞いていた「協会は海外に強い」という意味を少し知れた気がしたことが一番の収穫です。とくにスポーツ競技としての空手を目指す世界空手道連盟と武道空手を目指す日本空手協会の関係、中東地域で武道精神を伝えることの難しさなども、現地の様子を想像しながら、さもありなんと思いながら一気に読むことができました。中東地域では、地理的に近い欧州の影響が強いようですが、この地に空手の種を蒔いた岡本先生の功績も決して小さくないと確信できる一冊です。

その他 · 2019/11/30
本書は日本空手協会の会長をなされている草原克豪先生による最新著書です。唐手から空手道への発展の系譜、柔道、剣道、合気道なども含めた‟武道”と‟スポーツ”との関係、スポーツが武道の発展を促してきた側面などが先生の考えとともに綴られ、全体を俯瞰することができる本となっています。もう少し、武道空手を標榜する日本空手協会について、我々一般会員や保護者にもわかるよう触れていただければなおありがたかったというのが感想です。

その他 · 2019/09/05
 協会の師範会から新しい型の教本が発行されました。平成6年に全5巻で発行された『空手道型』のうち、第2巻がリニューアルされたものです。この巻には、「選定型」として、試合や昇段審査で馴染の深い、抜塞大、観空大、慈恩、燕飛の4つの型が収録されています。版はA5からB5に若干大きくなり、これまで“文字”だけで説明されていた挙動に“写真”が加えられ、よりイメージしやすくなりました。

その他 · 2019/07/06
 “義珍”とは、松濤館流の事実上の開祖であり、日本空手協会の初代最高師範の船越(富名腰)義珍先生のことです。この文庫本は、唐手から空手に、沖縄から本土へと発展していく、空手に対する先生の思いを“小説”風にまとめています。  複雑な空手道界の源流を理解するうえでの格好の入門書となっており、日本空手協会として結集、発展していった背景を垣間見ることができます。この本が面白いと感じたら、立派な「空手バカ」です。